こんにゃくの歌 その8

「おとうさん!ぼく、しらたきの作り方、わかったよ。」

束は、ばたばたと走り込むと言いました。

お母さんは、束のほうを向いて弱々しく笑いました。きっとなぐさめに行ってくれたと思ったのでしょう。

でも、束は自信に満ちた足取りで、大がまの前に歩いてゆきました。

「おかあさん、お湯をぐらぐらにわかしてね。それから、おとうさん、原料のこんにゃく芋のつぶしたの、まだあった?」

「おう!石灰の入ってないのなら、まだあるとも。」

「それだよ。石灰と水を少なくして、かたく練ってね!」

「束さん、お湯が沸いたよ!」

おかあさんの声にも力が入ります。

「はあい、ちょっとお父さん、手伝って。」

束は、お父さんと二人で、練りだし機を大がまの上にすえました。横に長い足台がついていて、中に落ちないようになっています。

束は、お父さんの練ったこんにゃくの原料をすくって、ラッパのような機械の上の口から入れました。

「さあ、まわしてよ!」

「ほいきた!」

お父さんお元気のよい声!

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